建築家展 ～快適にこだわる木の住まい～

朝目覚めたとき、鳥の声が聞こえるくらいに静かなとき、雨を感じるとき、夕陽で壁が染まるとき、人は住宅と対峙します。住み続ける数十年という長い時間と、日々の何気ない瞬間とを同じくらい大切にしながら、お施主様と一緒になってつくっていきます。

お客様の要望はもちろん、お客様自身が気付いていない潜在的な要望を見定め、設計に活かすことを心掛けています。その上で、人と人との『境界』、敷地と周辺環境の『境界』、お家の内と外の『境界』、数多くの『境界』を考えた上で、お客様にとってそれぞれの心地よい『境界』を創り出すお家を設計します。

住宅を設計するということは、 そこに住まう人の「居心地の良さ」を様々な対話を通して 一緒に形にすることではないでしょうか。 時間の経過とともに味わいを深め、 家族の成長を受け止め、 優しくゆったりと移ろい続けていくことのできる 大らかな器としての住まいづくりをお手伝いします。

住まいとは、そこに暮らすヒトのアタタカイものがカタチとなり、馴染んでいく。そして、安心して長い年月を共に暮らしていける場所だと考えています。

自然素材を使うこと。それは、今の時代が日常生活の中から切り捨ててきた感覚を、取り戻そうとする行為なのだ、と言えると思います。「触れて気持ちいい」「いい匂いがする」「古びていく様が美しい」。昔はあえて語らなくとも、誰もが知っていた感覚。現代でもまだ、語らずとも「触れれば分かる」ものだと思います。

物作りにおいて「絶対的な正解」というのは有り得ないと思っています。 中でも住まいにおいて「解答」は多様に成り得ます。 環境・条件を綿密に読み取りながら、その住まい独自の解き方を導き出す事を心掛けています。

「敷地がおかれた環境」 「住まい手の思い」 そこでしか生まれない唯一無二の住空間づくりのお手伝いをさせていただければと思います。