第10回未来をのぞく住宅展

光と風が抜け、時計やカレンダーがなくても、時間の流れや季節の移り変わりが感じられる……そんな五感の働きを取り戻せる空間を造り続けています。いっしょに時間をかけた後の住まい心地は、きっと格別のはずです。常に我々も住みたいと願う家づくりを心がけています。

「人は家を造り、家は人を創る」と言います。暮らしによって人間が形成されると言っても過言ではありません。クライアントの生活を十分考慮し、敷地の持つポテンシャルを最大限引き出せるように設計しているつもりです。

風景に調和した美しさ、光と風を感じる心地よい空間をつくりたいと考えております。それぞれの条件のもと、敷地の特性と家族の個性を最大限に引き出し、歳月の経過とともに形を変えるもの変えないものを見極め、先回りした提案をすることを心がけております。

「豊かな時間」を生み出すこと。それは私にとって、建築を含めたあらゆるもの作りの原点だと考えております。「豊かな時間」には未知なる神秘の世界が繰り広げられており、果てしない広がりと深い奥行感が存在しています。こうした魅力溢れる世界をかたちにすること。それが私の役割だと感じております。

住宅は、あらゆる建築の中で最も人に近いものです。生活の折々を楽しんでいただけるような、楽しさと気持ちよさを兼ね備えた場所を作って行きたいと思います。

住まいは、人が住み続けることで成長していくものだと思います。

住宅は、住まい手の単なる器ではなく、住まい手のニーズを最大限に反映させ、シンプルでありながらも表情豊かな空間をもったもの、そこに住空間の価値を見出しています。そこは、とても刺激的であり、心地良く、五感に訴える空間でありたいと考えています。

住宅を設計することは、そこに住まう人々の背景を設計することであると考えます。あくまで、主人公はそこに住まう人々であり、家そのものはバックグラウンドです。ただ、その背景は非常に奥深く、そのあり様を日々考え続けています。

アート感覚があってスタイリッシュな印象の建築をつくりたいと思っています。暮す人のライフスタイル・美意識・価値観や敷地の周辺状況などを反映させつつ、「シンプル＆ハイクォリティ」な住宅にしたいと思います。

素直な家づくりがいいですね。そして『中庸』であること、全てに調和・バランスのとれた家づくりとでもいいましょうか。素直で調和のとれた家は、きれいで美しく、機能的で強く、たのしくて、また気持ちがいいものです。素直で調和のとれた家はきっとしあわせな家になるはずです。そんな家づくりが自分の理想です。